糖尿病患者の慢性外科的創傷の管理におけるヒト線維芽細胞由来の成長因子の適用
糖尿病患者の慢性外科的創傷の管理におけるヒト線維芽細胞由来の成長因子の適用:症例報告
【要旨】
虚血性心疾患において冠状動脈バイパス移植が治療法として選択されることがある。この手術では、
移植する大伏在静脈を採取するため足を大きく切開する。そのため、切開部位に感染や創傷が生じることがある。
特に患者が糖尿病の場合、創傷が慢性となるリスクが高く、患者の生活の質に大きく影響することがある。
外科的創傷の治癒が困難な患者に対して、培養ヒト線維芽細胞に由来する抗炎症因子および他のケモカインの使用は、
術後管理における有用なアプローチとなる可能性がある。そこで、男性の糖尿病患者における非治癒性の外科的創傷の治療に、
ヒト抗炎症性インターロイキン、サイトカイン、成長因子を含む製剤(AQ Recovery Serum)を使用した。その結果、迅速な回復、
有意な痛みの軽減が認められ、また、傷口を閉じ最小限の瘢痕とすることができた。